巡礼日誌
2009年1月〜2009年6月
3)2009年5月2日(土)
西国札所巡り(Part XII) 天気:晴れ
- 番外・花山院菩提寺(兵庫県三田市尼寺352)
- 朝4:30起床。5:00過ぎにホテルチェックアウト。天気は晴れで、
外の空気はヒンヤリとしている。駅までの道は殆ど人通りなし。
東舞鶴5:45発の福知山行きに乗り込む。
- 福知山で三田(「みた」と思ったら「さんだ」でした。)行きの電車に
乗り換える。昨日に引き続き、単線のローカルな景色を楽しむ。
- 三田駅8:29着。駅の直ぐ側に大きな三菱電機の工場があった。三田駅は
思いの外大きな駅であった。
- 駅前から花山院行きのバスを探す。丁度8:30のバスが出たばかり。タッチの
差であった。次は8:55発。待つしかない。
- 8:55発のバスの乗客は小生と2組の高年夫婦。車窓はだんだんと田舎の
風景となって、20分弱で花山院バス停着。小生と一組の夫婦が下車。
- バス停から寺まで900mとの表示。しかしながら、急峻な舗装道路が延々と
続く。20分くらい歩くと汗が出てきた。後から来ていた夫婦の姿は直ぐに
見えなくなった。
- やがて小さな山門が現れる。石段を登ると小さな本堂と薬師堂のある境内に出る。
モミジの新緑が美しい。
- 花山院は、西国札所を中興した花山法皇が、41歳で崩御した場所である。
- 訪問時は小生の他誰もおらず、静寂そのもの。まず本堂で、十一面観音を
拝観。こぢんまりとした色鮮やかな観音様だった。
- 薬師堂では、薬師如来と対峙。しばし、俗世間から隔離された世界に浸る事が出来た。
- 境内には花山法皇の御廟所もある。
- 納経所もひっそりとしていた。御朱印をもらったが、係の男性の達筆に驚く。
ここで名物と言われる「しょうが湯」を購入。一袋¥500なり。
- 札所は山の上にあり、納経所の近くに展望台が有る。ここからは、有馬富士を
望む事が出来る。遙か先に、播磨灘、小豆島も見えるとの事であったが、霞んで
見えなかった。
- 急坂を下って、最後に、十二妃の墓(花山天皇の退位と共に宮中を去った女御と女官たちの墓)を訪れた。
- 帰りは、11:07発のバスに乗って三田駅に引き返した。11:35発の
JR福知山線の大阪行きに飛び乗って、今回の西国札所巡りは終了。電車は混んでいて
座れなかった。
- 今回は、普段ご開帳されていない二つのご本尊を、拝観できた事が大きな収穫。
石碑
石仏
山門
仁王
本堂
薬師堂
境内からの展望
有馬富士
花山法皇御廟所
石仏
十二妃の墓
花山院遠望
2)2009年5月1日(金)
西国札所巡り(Part XI) 天気:晴れ
- 28番・成相寺(京都府宮津市成相寺339)
- 木曜日の夜、品川バスターミナル22:15発の東舞鶴行きの夜行バスに乗り込む。
- バスに乗る前に、ターミナル近くの居酒屋で腹ごしらえ。
- 品川から乗り込む客は少なかったが、浜松町でバスは満杯となった。
- 居酒屋で心地よく酔っぱらったので、バスの中で、いつの間にか眠ってしまい
気がついたら、朝の4:00だった。丁度サービスエリアの休息タイム。外の空気が
冷たかった。
- その後は、うつらうつらしている内に、バスは6:00過ぎにJR福知山駅に予定より
早く到着。
- 駅舎は改築されたばかりで新しかったが、客はまばらだった。
- 6:57発の北近畿タンゴ鉄道に乗り込む。電車はクラシックな一両編成のワンマンカー。
- 主な乗客は、地元の丸刈りにした男子高校生。後輩の生徒が乗り込んで来る度に、先輩みんなに
挨拶をしており、小生にとっては、少々、異様な光景であった。
- 何はともあれ、久しぶりにローカルな景色を楽しむ。
- 終点の宮津には7:46着。運良く、天橋立へ行く電車にすぐ乗り継ぐ事が出来て、
天橋立駅には8:00頃到着した。
- まず、駅の直ぐ側にある、日本三文殊の一つである知恩寺へ参拝。
早朝なので他には参拝客はいなかった。掃除の係の人たちが忙しく働いて
いる以外は静かだった。
- 橋を渡って、いよいよ天橋立を歩いて対岸まで行くことにした(約2.6km)。
こちらも、まだ早朝なので、人影はまばらであった。天気は快晴で、約1時間弱の静かなウオーキングを
楽しんだ。
- 対岸では、観光船乗り場を経由して、籠(この)神社へ参拝。
- 天橋立の股覗きで有名な傘松公園へは、今回は右足不調につき、文明の利器であるリフトを利用。
リフトは5分ほどで高台の傘松公園に到着。天橋立がよく見える。
- 傘松公園から成相寺までは、2kmの舗装された細い急坂を登るのであるが、ここも、今回は
バスを利用。バスだと、たった5分で到着した。(リフト、バス往復切符は¥1,740なり。)
- 成相寺の参道(石段)両脇は丁度、シャクナゲと山吹の花が満開であった。
- 本堂では丁度ご本尊がご開帳されている時であった。この機会を逃すと、30年後で
ないと拝観出来ない由。ラッキーでした。
- 寺に着いた時はまだ9:30だったので、本堂内の参拝客も数えるほどで、静寂
そのもの。本陣の中に入って、ご本尊を間近で見ることが出来た。長い時の移ろいを
思わせる、1m弱の黒ずんだ聖観音像であった。合掌。
- 本堂の上部には、左甚五郎作と伝えられる龍の彫り物があった。これは写真撮影が許された。
- 400年振りに再建された五重塔も素晴らしかった。
- 境内では、まだ八重桜が満開であった。
- 参拝後、バスで再び傘松公園に戻って、天橋立の景色をじっくりと楽しむ事にした。
小生も股覗きの名所で股覗きに挑戦。どうと言うことはないけど、
来た人はみんな、台の上で、股覗きのポーズを取って写真を撮っている。何はともあれ、
天気も良く、展望も最高!
- この頃になると、名所だけあって、公園は家族連れ、カップルで溢れて、一気に
俗世間に戻ってしまった。やっかみではないが、若いアベックが多いので、余計に
そう感じられた。
- 帰りは対岸まで観光船で戻る予定であったが、便が少なく、次の便まで20分も
待たねばならなかった。とても待ちきれず、再び、天橋立を歩いて戻る事にした。
帰りは、ここも人通りが多くなっていた。
- 次の29番札所を目指し、天橋立駅12:10発の西舞鶴行き電車に乗り込んだ。
JR福知山駅
タンゴ鉄道
天橋立駅
知恩寺山門
多宝塔
本堂
石碑
天橋立松林
ハマナス
外海
籠(この)神社
成相寺撞かずの鐘
石段
地蔵
本堂
龍の彫り物
本堂
山吹
シャクナゲ
シャクナゲ
五重塔
八重桜
天橋立
冠島遠望
由良川河口
- 29番・松尾寺(京都府舞鶴市松尾532)
- 北近畿タンゴ鉄道の西舞鶴行き電車は、「悠遊号」と名付けられ、途中、景色の良いところ2カ所(冠島遠望&由良川河口鉄橋)で、
数分間づつ停車して、解説と共に景色を楽しませてくれる。粋なことをやってくれる。
- 東舞鶴駅の次の松尾寺駅(無人駅)で下車。13:42着。
- ここから近畿遊歩道を歩いて2.6kmで松尾寺。
- 天気は快晴。5月の風が心地よい。初老のおばちゃんが一人、小生を小早に
追い抜いて行った。彼女も29番を目指すようだ。(彼女は28番でも見かけた。)
- 遊歩道は、間もなく広い舗装道路に。しばらく行くと、「上り近道」との
標識。この道を辿る事にしたが、かなりの急坂が続いた。
- 坂を登り切って、しばらく歩くと、29番の石段が現れる。
- 石段を登ると、こぢんまりした本堂が有る。ここでも、丁度ご本尊を
ご開帳中であった。
- この寺のご本尊は珍しく馬頭観音である。本陣の中に入って、間近で
拝観できた。立派な黄金に輝く観音様であったが、お顔は不動明王を思わせる
憤怒とした形相であった。
- ここは28番と異なり、観光地でもなく、山上に有るため、俗世間から
隔離されていた。
- 帰りは舗装道路を下って松尾寺駅に引き返す。電車の本数が極端に少なく、
待ち時間があったので、近くにあったコンビニで缶ビールを買って喉を潤す。
- 東舞鶴駅には16:00過ぎ到着。今夜の宿泊場所のビジネスホテルへ
歩いて行く。ホテルは舞鶴港の近くであった。予約はネットで(月)(金)は半額
というホテルでした。
- 舞鶴の町並みは大きいが、商店街の人通りは少なく、シャッターの閉まって
いる店が多い。地方の活性化が叫ばれてはいるものの、地方の街は廃れて行く
ばかりと言うのをここでも感じた。
- 夜はスーパーで地酒を買ってホテルで堪能した。
松尾寺駅
山門
石碑
山門
石段
本堂
馬像
八重桜
地蔵
- 善光寺(長野市)
- 3月6日の金曜日は一日中激しい雨が降った。しかし、夜になると、雨はピタリと止んで、月が
輝きだした。日頃の行いが良いためか?
- 何はともあれ、新宿23:54発の臨時列車:ムーンライト信州81号に乗り込む。
新宿からの夜行列車に乗るなんて30年ぶりか?
- 列車は23:30頃入線。古い特急型の車両であった。車内アナウンスによると、全車指定で指定券は
売り切れとのこと。しかし、新宿を出たときはそれほど混んでいなかった。
- 23:00を過ぎた新宿駅のコンコースは酔っぱらいだらけ。それも若者が多い。
(小生は電車に乗るまで素面でした。)新宿駅のホームは0:00近くになっても混雑していた。
- 松本には4:30に着くので、それほど眠る時間はない。下手をすると白馬まで乗り過ごしてしまう恐れも!
- ともかく眠るために、ワンカップと焼酎のカップを各々1本ずつ出発間際にあおる。(結局、シートの寝心地も
良くなく殆ど眠れなくて効果なし!)
- 立川、八王子あたりからも次々と客が乗ってきてほぼ満席。いったいみんな何しに行くのだろう?スキーや登山客は
数える程しかいなかった。サラリーマンの姿もちらほら。
- 松本着4:30。長野行きの始発は6:20までない。しばらく駅のホームの待合室で待っていたが、
時間を持てあましたので、駅の外に出た。予想に反して雪は全く積もっていなかった。
- 駅前にマックと松屋が営業しているのを発見。松屋で朝定食を食べることにした。
相変わらず味は今一であったが・・・。松屋は結構混んでいた。
- 6:20発の長野行きの普通電車に乗り込む。空は徐々に青空が広がってきた。
車窓から雪を被った山々が見えてきたが、頂上付近は雲がかかって見えなかった。残念。
- 何はともあれ、一時間位、ローカルな景色を楽しんだ。
- 長野駅へは7:30頃到着。即、駅から歩いて善光寺を目指す。やはり雪はなかったが、さすがに
朝早かったので空気が冷たかった。
- 道標によると、駅から善光寺まで1.8km。歩いて約30分の距離だ。参道は早朝なので
人通りはほとんど無かった。
- まず仁王門が現れる。仁王門をくぐると両側に土産物屋が軒を並べる。8時前なので、
開いている店はまだ少なかった。
- 三門をくぐると本堂が現れた。参拝者は僅か。何はともあれまず参拝。その後、納経所で
御朱印をもらった。
- 本堂の中(内陣)を見ることが出来るのであるが(¥500なり)、9:00からとの
注意書き。
- まだ9:00まで時間があったので、空いている土産物屋で土産を物色することにした。
- 朝日新聞のHPで今年のご開帳記念用に小判を売り出す(¥1,300)との記事が出ていたので
それを購入しようと思っていたのだ。限定2万枚の発行の由。ご開帳の2ヶ月間で600万人
以上が参拝するとの事なので、プラチナ小判に化けるかも。土産物屋のおばちゃんも値上がりするよ
と言っていた。この小判は¥1,000の商品券としても使える由。でも商品券として使ったら¥300
損してしまう。これはどういう事?ともかく記念に購入。
- 9:00から内陣参拝を行う。その後”お戒壇めぐり”を行う。これはご本尊の安置されている
瑠璃壇下の真っ暗な回廊を巡る事です。まさに真っ暗闇の中を手探りで巡るものだった。
中程にある”極楽の錠前”を探り当てると、絶対秘仏のご本尊と結縁出来るとの事であるが
残念ながら、真っ暗闇だったので見つけられなかった。何はともあれ、まるで黄泉の国へでも行ったような気分になった。
- 内陣参拝後、資料館を見る。係員が、「ダライ・ラマから寄贈してもらった仏像が
今日から公開ですよ。」と興奮気味に教えてくれた。
- その仏像は手のひらに乗るほどの大きさであったが、黄金に輝くブッダ像で有りました。合掌!
- 善光寺から歩いて長野駅に引き返して、次の目的地である北向観音を目指す。
善光寺仁王門
土産物屋
三門
善光寺
本堂
資料館
- 北向観音(長野県上田市)
- 長野駅に10:00前に戻ると、運良く、10:06発の、しなの鉄道(第三セクター)の快速小諸行きに
間に合った。再び、ローカルな景色を堪能し、上田駅には10:39到着。
- しかし、上田駅から出る上田電鉄の電車は、11:10まで無かった。取り敢えず、
観光案内所で、信州の鎌倉と言われる別所温泉の案内図を入手。
- 上田電鉄の電車は、2両編成のワンマンカー。車両は新しかった。上田から
別所温泉までは約30分。駅と駅の間が短く、頻繁に停車した。
- 途中から、バスツアーの団体客がどっと乗り込んで来た。その中に、上田駅の駅長と称する人も
含まれており、やおらハモニカを取り出して、「歌をうたいましょう。」と乗客に
呼びかけた。その前に、係員が歌詞のビラを配った。
- 終点まで、駅長のハモニカに合わせて合唱が始まった。もちろん小生も歌った。曲名は「青い山脈」エトセトラ。
上田電鉄も客集めに苦労しているようだ。
- 別所温泉には11:40頃到着。まず北向観音を目指す。その途中で、帰りの高速バス
乗り場を発見。
- 北向観音までは歩いて約10分。北向観音は厄除け観音として有名。南向きの善光寺と
両方参拝して、はじめて御利益があるとされている。
- 道路から石段を下り、両側に数軒ある土産物屋を通り過ぎると、再び石段がある。
そこを登り切ると、北向観音の本堂が現れる。本尊は秘仏の千手観音。
- 本堂に参拝して、最後の御朱印をもらった。取り敢えず、今回のお礼参りは終了。
- 帰りの高速バスの出発は17:40。たっぷり時間があるので、他の名所巡りをする事にした。
- まずは、常楽寺。鎌倉の寺を連想させる、茅葺き屋根の立派な本堂であった。
境内の奥に、重要文化財の石造多宝塔がある。
- 次に、安楽寺。ここは国宝の八角三重塔が有名。本堂の横の石段(入場料¥300)を登り切った
ところに、立派な八角形をした三重塔が現れる。見ていて圧倒される。
- その後、蕎麦屋で山菜蕎麦を食って腹ごしらえ。まだ時間はたっぷりある。
蕎麦屋のおばちゃんに、ガイドブックに載っていたお奨めの「厄除け饅頭」を製造販売
している「島屋菓子舗」の場所を教えてもらう。「厄除け饅頭」はあちこちで売っており
どこが美味いのか迷ってしまう。
- 饅頭屋は見つけたが、まだ時刻は14:00。そこでパンフレットにあった「野倉
夫婦道祖神」を見に行くことにした。道標によると、片道2km。ちょっとしたハイキング
である。上りの舗装道路を上っていくと、途中で近道と称する遊歩道が現れてきたので、
この道を歩くことにした。
- 快晴の青空の下、誰もいない冬枯れの上りの山道を黙々と歩いた。30分ほどで
野倉集落に到着。山奥の小さな集落であった。人気は感じられなかった。
- 集落の片隅に「夫婦道祖神」は鎮座しておられた。予想より遙かに小振りで
あったのには驚いた。この道祖神にお参りすると、夫婦仲が円満になる由。しっかりと
拝みました!
- 道祖神の近くに「赤地蔵さん」と呼ばれる木製の地蔵尊を真っ赤に塗った
地蔵さんがあった。赤い地蔵とは珍しい。
- 温泉街に引き返すと16:00頃。まだバスの時刻には時間がある。まず、「島屋菓子舗」で土産の
「厄除け饅頭」を購入。(@¥63:帰宅して食べたけど美味かった。)その後、酒屋で地酒を
買うことにした。「月吉野」というワンカップの地酒を発見(@¥220)。店のおじさんによると、
30分ほどのところの造り酒屋の地酒とのこと。土産として3本購入。
- 予定の名所は見尽くしたので、バス停でバスを待つことにした。一応待合所はあったが、ドアが無く
吹きさらし。取り敢えず、缶ビールを一本飲む。そのうち日が傾きだして寒くなって来た。
我慢ならず、先ほど買ったワンカップを一本あおる。なかなか良い味ではあった。
- 5時過ぎにバスはやって来た。しかし、準備が有るとのことで直ぐには乗せてもらえなかった。
- ブルブル震えながら、乗車まで待つ。やっとドアが開いたと思うと、運ちゃんが、ここからの
予約客はいないとの冷たい一言。そんなことは無いとチケットを見せたら、「お客さん、乗車日は
明日ですよ!」との回答!よく見たら本当に乗車日が3月8日であった。なんと言うことだ!
一日予約日を間違えていた!何はともあれ、運転手に頼み込んで乗せてもらった。座席には余裕があるとの
ことで助かった。
- 結局、別所温泉からの客は小生のみ。途中から何人か乗ってきたが乗車率は30%位で
あった。あれで採算が取れるんかしらん?バスの中でもう一本ワンカップを飲んで帰途に
つきました。
- 池袋着は21:30。帰宅は22:00過ぎでした。時間を有効に使っての非日常的な週末の1.3日(?)でした。
雪を想定して長靴を新規購入して担いで行ったのであるが、天気に恵まれ不要で助かった。
別所温泉駅&電車
別所温泉
北向観音入口
北向観音
北向観音本堂
薬師堂
常楽寺
常楽寺
多宝塔
山並み遠望
安楽寺参道
安楽寺
八角三重塔
夫婦道祖神
説明文
道祖神
枯れ木と青空
赤地蔵尊
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