巡礼日誌
2009年7月〜2009年12月
2)2009年11月14日(土)
西国札所巡り(Part XVI) 天気:雨のち晴れ
- 32番・観音正寺(滋賀県蒲生郡安土町石寺2)
- 今年7月以降も、ご開帳の行われる期間に、何度か西国札所巡りを企てたのであるが、
公私共々に忙しくて、計画を実行する事が出来なかった。
- 11月になってやっと、マラソン大会と海外出張の合間をぬって2カ所訪問することが出来た。
- 金曜日の夜、池袋バスターミナル22:10発の浜大津行きの高速夜行バスに乗り込む。
生憎、外は雨、翌朝も関西は雨の予報!バスは横浜にて満席となる。
- 養老PAでトイレ休憩。(4:00AM)雨はもう止んでいると思ったのに、土砂降りで
驚く。
- 米原に5:00少し前に到着。下車したのは小生のみ。外は真っ暗で雨はまだ続いている。
- 米原発5:00の電車に飛び乗る。安土駅5:20着。雨は土砂降りで、止む気配は全くない。
- 安土駅前は真っ暗で開いている店など無かった。駅にはコインロッカーも無し!
- 朝早くから開店準備をしている駅のキオスクのおばちゃんにコインロッカーの事を尋ねたら、
「正面の店が開いたらそこにあるが何時開くか知らない。」とのつれない返事。キオスクで何も買って
やらないぞ!
- 何はともあれ、とても外を歩ける状況でなく、暫く小さな待合室で待機する事にした。
- 暫くすると、外が少し明るくなって来た。しかし、雨は止みそうにない。仕方なく、6:45頃、100円雨合羽と
傘を差して、雨の中札所を目指すことにした。幸いに前の店が開いて、コインロッカーを利用する事が出来た。
(ロッカーは9個しかなかった!)
- 誰も歩いていない、早朝の雨の中の道を、ひたすら地図を頼りに札所を目指す。
まさか雨の中を歩くとは思わなかった。おまけに寒い!
- 50分程歩くと集落が出てきて参道に辿り着いた。札所がある観音寺山は雲の中!
- 参道の入口に赤い実を付けた南天がたくさんあったのが印象的。コンクリートの坂道は、やがて急な石段となり延々と続く。夜行バスでの寝不足の体にはこたえる。
- 雨合羽を被っていたので暑くなって来た。途中でトレーナーを一枚脱ぐ。
- 長い石段を登り切り、やっとの事で8:00前に札所に到着。雨もやっと小降りになった。
途中一組のハイカーに会ったのみ。
- 札所の一カ所に人だかりが出来ていたので、何事かと思いきや、札所のスタッフの
朝礼(!)との事。
- 何はともあれ、まず本堂に行ってご本尊を拝観。特別公開中。
- ガイドブックによれば、平成5年に火事で焼失。本堂と共にご本尊も新たに
作られた由。
- 白檀のご本尊(千手千眼十一面観音)は、その身丈の大きさに驚く。(台座を併せると
6.3m)千手の手は人間と同じサイズの由。残念ながら、真新しいので、荘厳さは全く
感じられず。これから年月を経ると共に重みが増すのであろうか?
- 9:00から本陣の中も見られるとの事であった。係の女性に聞くと、9:00前でも、
朝の勤行が終わるとOKとの事。そこで取り敢えず、納経所で御朱印をもらう。もちろん、
まだ朝8:00なので小生以外は誰もいない。
- 再び本堂に戻ったら勤行が始まったところだった。しかしながら、なかなか終わりそうにない。
次の予定があるので、本陣拝観は諦めて、同じルートで安土駅まで引き返す事にした。
- 雨が止み、霧も晴れて、境内から下界の風景を望む事が出来た。下りは誰にも会わなかった。
石碑
日吉神社
道標
石段
石碑
石段最上段
本堂
大仏
下界を望む
石仏
参道の石仏
南天
観音山遠望
- 25番・播州清水寺(兵庫県加東市平木1194)
- 25番札所を目指す為に、急ぎ足で、32番から安土駅に引き返す。福知山線の相野駅までの
切符を窓口で頼んだら、駅員が気を利かして、関西地区で1日乗り放題になる「秋の関西1デイパス」
にしてくれた(11月いっぱいキャンペーン中)。最も、運賃を調べてくれている間に電車が来そうでハラハラしたが・・。でもお陰で
電車代が節約できた。
- 9時33分発の電車になんとか間に合った。途中、新快速に乗り換えて、尼崎まで。
そこから福知山線の電車に乗り換える。三田を過ぎると、窓の外はローカルな風景となる。
- 相野駅には予定より早く11時過ぎに着いた。天気はすっかり回復して青空と
なった。駅前は何の店もない。コインロッカーも無く荷物を預ける事も出来ず。。
- 清水寺までのバスは一日二便しかない。それ故、ジョギングで行こうかとも
考えていたのだが、32番を必死で歩いて往復したので、疲れてその気力も失せてしまった。
多めの荷物も預ける所はないし・・・。
- 何はともあれ、2便目の12時54分発のバスまで待つことにした。ポカポカと
暖かい陽気になってきた。今朝の荒れた天気が嘘のようである。
- バスは予定通り出発。乗客は10名前後。途中で丹波焼(陶芸)の里を通る。
丹波篠山が陶芸で有名だったとは知らなかった。兵庫陶芸美術館という立派な建物
の前がバスの停留所になっていた。
- バスの窓から見る丹波の山々は、紅葉で色づいて、青空とのコントラストがきれいだった。
- 50分あまりで終点の播州清水寺に到着。最後の上りの手前にゲートがあり、
バス賃(¥570)に加うるに入山料(¥300)を徴収された。到着は13:40。
- ちょうど紅葉が見頃の時なので、山頂の駐車場は車で一杯であった。
- 帰りの終バスは14時25分。これを逃すと歩いて帰らねばならぬ。使える
時間は45分。慌ただしい。
- 何はともあれ、朱塗りの山門をくぐり、本堂を目指す。車が多かった分、人も多い。
- まず、十一面千手観音像が特別公開されている大講堂へ。そこに納経所もあったが、丁度、
ツアーの白装束の巡礼客が多数いて講堂は混み合っていた。納経所もツアーコンダクターから、
多量の納経帳を受け取り、朱印と記帳で大忙し。コマーシャリズム丸出しで、商売繁盛とみた。
- 内陣を拝観するのに¥100払わねばならなかった。何はともあれ、¥100
払ってご本尊をじっくりと拝観。結構大きな本尊で、ふくよかで慈悲に溢れた
お顔をしていた。本陣内もツアー客で混んで、彼らの読経が響いていた。
- 大講堂の横の長い石段を登ったところに、根本中堂と呼ばれる立派な建物がある。石段横のモミジの紅葉が
素晴らしかった。根本中堂の中も白装束のツアー客が溢れかえって入れないくらいだった。
- 境内は広いのだが、今回は巡回する時間がない。大講堂、根本中堂のみ拝観して
バス停に引き返した。
- 寝不足のため、帰りのバスの中では眠くなって眠ってしまった。駅には15時10分着。
- ゆっくりする暇もなく、15時18分発の大阪行きの快速電車に乗り込む。
なんとか座れた。
- 大阪で新快速に乗り換え、京都駅には17:00前に到着。帰りのバス乗り場
を確認。土産に旬の「千枚漬け」を購入。いろんなメーカーの物があったが、
どれも値段は一律¥630なり。カルテル結んでいるんじゃないの?
- 何はともあれ、昼間はろくな物を食べていないので空腹になって来た。
- 京都駅前を散策して、夜の行動の前に、何かおなかに入れなくては。
- 駅から離れた所に、「餃子の王将」の看板を発見。そこに入ることにした。
メニューを見ると「ビールセット¥1000」が目に入った。早速それを注文。
まず瓶ビールで喉を潤す。うまい!間もなく、キムチと酢豚、餃子が順々に出てきた。
味はそれなりというところか。ビール一本でいい気分になりました。
- 京都駅に戻ると、改札口の手前でみんながしきりに写真を撮っていた。
- 何かと思いきや、吹き抜けにある階段状のホールの中断に大きなクリスマスツリーが飾られて
いたのだ。点滅するイルミネーションも素晴らしい!早くもクリスマス。しばし見とれる。
- それから荷物をコインローカーに預けて次の目的地を目指す。
山門
石碑
石碑
講堂
講堂
根本中堂
紅葉
京都タワー
X'masツリー
- 付録・青蓮院門跡(京都市東山区粟田口三条坊町)
- 今回京都から夜行バスに乗ったのは、丁度、東山にある、青蓮院門跡で、日本三大不動画のひとつである、
国宝「青不動明王」が特別に御開帳される(創建以来初めて!)と言う新聞広告を読んだからである。夜間の部で参拝しようと計画した。
- 腹ごしらえを済ませて、京都駅から地下鉄で東山駅まで。駅から青蓮院門跡まで歩いたが、
夜は方角が分かりにくい。なんとかルートを見つけ寺を目指す。
- 気がつけば、周りは多くの観光客が行き来している。
- 考えて見れは、小生にとって、夜の京都の寺巡りは初めてである。
- 5分くらいで青蓮院門跡に到着。入口は拝観者でごった返しており、びっくり。
バスツアー客も多くいた。何で、夜こんなに人がいるのという感じ。拝観料¥1000なり。いい値段だ!思わず寺の興業(?)収入
を考えてしまう。庶民の浅ましさ!
- 何はともあれ、建物に入っても参拝者の行列が続く。若い女性が多い!薄暗いのが残念。
- やっと青不動明王画がおわす間に到着。ここで座って祈願する多くの
参拝客の姿に再び驚く。入口で渡されたご開帳祈願の用紙に、各々の願い事を
書いて賽銭と共にお供えすると、後ほど、寺でお焚き上げをしてくれるという
仕組みだそうだ。(上手くできた更なる集金システムですな。)小生は唯
頭を垂れただけですが・・・。
- 堂内からライトアップされた庭を望む事が出来た。青の豆電球が着いたり消えたり
するのは幻想的であった。
- 行列は庭の中まで延々と続く。又列は時々渋滞する。それにしても庭も広かった。
竹林もライトアップされており、ここも幻想的だった。
- 小生の拝観が終わった後も、次々と拝観客が押し寄せていた。
- 青蓮院門跡のすぐ横が知恩院。せっかくだから、こちらへも足を伸ばした。
- 大門がライトアップされていた。入口でライトアップの入場券を売っていた。
¥800なり。バカバカしくて、外から大門を見るだけにした。
- 京都駅に引き返したら21:00頃。バスは23:00発。まだ2時間もある。
- まだクリスマスツリーのライトアップが続いていたので、暫くそれを眺める事にした。
- エスカレータで最上階まで上り、少し下った階段に腰を掛ける。
見渡すと多数のアベックが座っている。おじさんは小生のみ!
- まあ仕方ない。幸いにそれほど寒くなかった。やることなく、おもむろにワンカップを取り出し
飲むことにした。酒を飲みながらクリスマスツリーを眺めるのも乙な物である。(クリスマスはワインですね!)
- やっとの事で23:00少し前にバスが到着した。座席に座って
ほっと一息つく。
- 朝から晩まで有意義な一日でありました。疲れたけれど。
- 寝不足でバスの中では結構眠った。翌朝、所沢には6:30に着きました。
石碑
青蓮院山門
竹林
看板
知恩院山門
- 番外・元慶寺(京都市山科区北花山河原町13)
- 今回も、夏休みで岡山に帰省途中に、西国札所に寄る事にした。
- 金曜日の夜、池袋22:10発の浜大津行きの夜行バスに乗り込む。
- 夜が明けて、琵琶湖大橋の有料道路を越えると、間もなく大津市内。天気は薄曇り。早朝から
クマゼミのうるさい音が、バスの中からも聞こえてくる。ああ関西に来たと感じる。
- 大津駅には予定より早く6:35頃到着。
- バスの中では、素面にもかかわらず、結構眠った感じであるが、熟睡でないので頭が重い。
- 取り敢えず、駅前のマックでモーニングセットを注文。コーヒーで眠気を覚ます。
- 大津駅からJRにて次の駅の山科駅に到着。日も照り出し非常に蒸し暑い。何はともあれ
ガイドブックに従い、元慶寺を目指して歩き始めた。ところが、途中で方向を間違えていることに
気づく。寺の近くまでは辿り着いたのだが、分かれ道が多く、どの道が正しいのか分からない。
しかし、人気もなく道を尋ねる訳にもいかない。
- しばらく途方に暮れていると、自転車に乗ったおばちゃんが現れた。呼び止めて元慶寺までの
道筋を尋ねる。おばちゃんは懇切丁寧に教えてくれた。少々複雑だったけれどーーー。
- やっとの事で、裏口から元慶寺の中国風の山門に辿り着く。ほんとに、分かりにくい所に位置している。
- 花山法皇が、ここで2年を過ごしたと言う元慶寺は、こぢんまりとした寺であったが、狭い境内は、木々で覆われ、緑一色であった。小生の他には
誰もおらず、セミ時雨が響き渡るのみ。
- 本堂も小さな建物で、中には、こぢんまりとした薬師如来が安置されている。
- 納経所で御朱印をもらったが、無愛想なおっさんであった。ご苦労様の一言
位言えばよいのに・・・。
- 暫し、緑の境内に佇んだ後で、山科駅を目指して引き返した。このとき
小雨がぱらつき始めた。
山門
山門
境内
本堂
本堂
看板
山科駅から再びJRに乗って、次の目的地京都駅を目指した。
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