会員の完走文/エッセイ集



第25回サロマ湖100Kウルトラマラソン(藤盛氏)


  概要

  • 日時  2010年6月27日(日)
  • 天候  晴れ 最高気温 32度
  • 参加  菊池、田中、服部、内田、藤盛

  • 2001年から参加しているサロマ湖も今年で10回目となります。初めて参加した時、ゴールの 常呂町広場に10回完走したサロマンブルーメンバーの方々の足型を見て、自分もいつかは足型を 残す事を目標になんとか10年間続けて来ました。 そんな訳で今年は自分が完走記を担当する事になりました。
  • 今年のサロマ湖は100Kの部が募集3500名にも関わらず、締め切り前に募集人員オーバーで 締め切られる程盛況でした。これも数年前からのランブームの影響でしょうか。 そんな訳でまづ往復の足を確保するのに苦労しましたが、幸い女満別でなく、帯広を発着とした便 が確保できたので、皆これで行く事にしました。

    6月26日(土)

  • 7:00羽田集合 1年ぶりとなる内田さん、数年ぶりとなる田中さん、初めてお会いする服部   さんと合流、皆朝早いにも関わらずサロマに向けスタミナ満点の笑顔で輝いてます。菊池さんが   来なく心配したが、家から車を飛ばしてなんとかぎりぎり間に合い合流し、皆ほっとする。
  • 9:30帯広着  ここでレンタカーに乗りまづは近くの幸福駅、愛国駅を観光。その後足寄を   経由し途中のコンビニで昼食、快晴の北海道ドライブは大変気持ち良いが、既に気温は30度を   越えており明日のレースが厳しくなる事を話しながら一路湧別の受付会場に向かう。
  • 15:00に受付を済ませその後例年通り常呂町のゴールで記念撮影する。本当に熱く、明日は   ここまで来れるか心配になってくる。
  • 17:30 網走のコンビニで明日の朝食を調達し、北海ホテルにチェックイン。
  • 18:30 風呂で汗を流した後、ホテル内レストランで夕食&ミニ宴会。各自にカニが1匹つく   豪華なメニューで冷えたビールが大変美味しい。全員残らず平らげ明日の体力を十分養う。
  • 各自自室で明日の準備をし就寝、自分は21:00には床につきました。 

    6月27日(日)

  • 1:45起床 おにぎり、パん、野菜で十分に補給する。こんな早い朝食は年1回だけだ。
  • 2:45出発 全員寝坊する事無く無事に集合。網走から湧別のスタート地点まで1:30を見込   み早めに出発する。既に空は青みがかっている。
  • 4:00湧別到着 既にスタート会場はランナーで混雑状態、毎年同じ場所で全員で記念撮影。   天気は晴れ、今日も暑くなるとの天気の放送があり、皆で何とか完走しましょうと励まし合う。   今年はワイナイナも出場し、スタート前に流暢な日本語で挨拶している。嘗てのマラソン界トップ   ランナーが100Kをどう走るのか楽しみだ。
  • 5:00スタート 毎年なれたペースでゆっくり走り始める、心の片隅ではサブ10を狙っている。
  • 10K 何故か足が重い、今年は足の調子が良くなさそうで、この先90K苦しむ事が想像される。
  • 20K 既に竜宮台の折り返しをしたワイナイナとすれ違う。ぶっちぎりのTOP!、さすがだが   この先あのペースで行けるのかな・・・   この付近は毎年全員とすれ違う場所だ、まづ菊池さんとすれ違う、あれ?自分より後ろにいる、今   年はかなり調子がわるそうだ。今年は自分が菊池さんに替わりレンタカーの回送係りになるかも知   れない、少々責任を感じる。続いて田中さん、そして今年もご夫婦で参加しているサロマブルーの   岡野ご夫妻とすれ違い、最後に内田さんと続く。結局服部さんは探し出せなかった。皆さん今年は   暑さで苦しむと思いますが頑張りましょう。 
  • 30K 早くも足がパンパンに張る、コールドスプレーでごまかしながら走るが、今年は調整に失   敗した様だ。
  • 40K 相変わらず足はパンパン状態で早くも氷で冷やし始める。それでもサロマブルーの景色が   気持ちを楽にさせてくれる。暑くともやはり晴れがいいな?
  • 55K 中間地点レストステーションで一休み、今年はお握りはやめてバナナ、チョコで軽めの補   給で済ませる。この時間帯は雲で陰り一時だが少々涼しくなった。気を取り直して後半へスタート。
  • 60K 楽になったのもつかの間、日が照り暑さが増してくる、多分30度近いだろう、他のラン   ナーもペースが大分遅くなってきた。この時点で密かに目標にしていたサブ10は断念する。
  • 70K 毎年の事ながら60〜80の20Kが一番精神的に苦しい、おまけに今年は燦燦と輝く太   陽の元、歩きたい心を踏ん張るのに必死だ。皆どうしているだろうと少々心配になる。それと共に   レンタカーの回送時間も心配だ、網走に帰り付けるかな?
  • 80K やっとワッカだ、何時もの事ながら景色は最高だが楽しいワッカでなく、苦しく長いフラ   ワーロードだ。応援の方がもつ上り札、「折れない心」に自分を励まし、ただただ歩かない事だけ   に頑張る。
  • 90K このワッカで何時もであればもう一度全員とすれ違う事になるが、なかなか姿を見かけな   い。暫くすると田中さんが見えた、流石に200K超を体験済みのため表情は明るい。今年は何を   食べたか聞くのが楽しみだが、今夜の便で帰京するとの事でバスに間に合うか、ぎりぎりかも知れ   ない。菊池さんが現れないのでひょっとしてアクシデントかと思ったが、暫くして姿が見えた、相   当に疲れている様子だ。今年はレース、練習会とハードなため疲労がたまっていたのだろう。なん   とか完走だけはして欲しい。
  • 服部さん、内田さんの姿がまだ見えない、そういえば岡野ご夫妻にもまだ会ってない。この暑さで   関門突破が出来なかったのかな? そのうち完走請負人の人たちが過ぎていく・・・複雑な心境。   自分の見落としであれば良いが。   自分の方は一緒に走っていた人に、頑張れば11時間切り出来ますよと励まされ、モチベーション   が上がる。
  • 100K 不思議なもので目標が出来ると足の痛みも少しは我慢できる様になる。   最後の5Kを目を瞑りながら耐え、ゴール・・・・ ここ数年で一番苦しい100Kだった。   走り終わって見ると何時もと変わらない100Kでしたが、その後皆さんからサロマブルーおめで   とうと言われ、徐々に10年間やったのだと言う気持ちが湧いてきました。
  • 戻ると服部さん、内田さんがいた。二人とも70Kの関門で断念したとの事、大変残念な気持ちと   思いますが、この暑さではと、少し気を休めて欲しい。   それでも内田さんの「私メダルもらて無いよ」のジョークで笑顔になる。   レンタカーの回送時間が気になるが足が痛くて動けない、申し訳ないが16:00のバスは断念し、
  • 17:00のバスで回送する事にする。着替えて戻ると田中さんがゴールしていた。完走できて良   かった。まだまだ余力十分な様子で、早々に食べながら着替え網走行きバスを探している。   自分はこれからスタート地点に回送に向かうのでここで田中さんとお別れする。   お疲れ様でした。
  • 回送バスは思ったより早く着き、急ぎレンタカーを運転しゴール地点に70Kでぶっ飛ばす。それ   でも1時間弱かかかる、よく走ったものだとつくづく思う。途中で菊池さんよりのTELで完走を   知りほっとする。
  • 補足ですがワイナイナは結局優勝しました、初ウルトラなのに流石です。
  • 19:00にゴール地点で合流し網走の宿へ向かう。
  • チェックイン後、一風呂浴びてから打ち上げに向かうことにする。風呂が本当に気持ちい良い。
  • 網走ではいつもの志保川が店仕舞いとの事で満員で入れず、タクシーの運転手さんに良い場所を   探して貰いました。皆で打ち上げの乾杯! この乾杯のビールが自分にとっては1年で一番美味し   いビールだ、おまけに今回は飲み放題、全員で打ち上げを堪能し24:00頃就寝する。   昨夜の起床からほぼ24時間、長く苦しく楽しかった1日が終わりました。  

    6月28日(月)

  • 6:30起床 思った程足の痛みは少ない、年のせいで明日以後に来るのかな?   早々に朝風呂に入り、網走川沿いを散歩し朝食を取る、全員すごい食欲だ。
  • 9:00出発 帯広空港が15:00過ぎのため、そこまでドライブ&観光を楽しみだ。
  • 10:30 阿寒湖に立ち寄る、快晴で気持ちが良いが観光船に乗る時間が無いのが残念。
  • 12:30 池田ワイン城に到着、内部を見学している時間はないため、ワイン土産を物色し   レストランで昼食、先程朝食を山ほど食べたのに皆特性ランチにワインを注文、本当にサロマ   に来る人はよく食べる。驚いた事に敷地内にドリカム博物館があったので見学した、皆記念のお   土産を買っている、実は隠れファンの人もいるようだ、その後急ぎ空港に向かう。
  • 14:45 帯広空港到着、菊池さん、服部さん、内田さんは15:30の羽田行きで帰路に   つくため、名残惜しいが来年また来る事を誓って見送る。
  • 自分はその後帯広で友人と会い、トムラウシ温泉でもう一泊して翌日29日に然別湖、東雲湖、   十勝川温泉を観光し夜便で帰路に着きました。
  • 応援して戴いた民様ありがとうございました。   ご参加の皆さんお疲れ様でした。   来年は菊池さんもいよいよ10回に突入します!

    サロマ10回の振り返り

  • 1回目 2001年6月24日(日) 第16回大会 1800名参加 晴れ 気温30度 完走率 47%

  • 出場  中谷、芝崎、菊池、鈴木、藤盛      ○記録  11時間12分
  • 中谷会長に促され始め憧れのサロマに参加した、当時はサブ3を狙う走力があったので、完走と サブ10を目指したが、如何に100Kが甘くないか思い知らされた初出場となった。 そんな中でも全員完走する事が出来て喜びを分かち合った。

  • 2回目 2002年6月30日(日) 第17回大会 2063名参加 晴れ 気温29度 完走率 61%

  • 出場  松永、藤原、菊池、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  11時間54分
  • 今年こそはと臨んだが昨年以上の厳しさに打ちのめされ、ワッカでは脇腹痛で歩くはめになった。 準備万端で臨んだ松永さんが、寝坊と暑さで完走を断念したのが残念であった。       この回から同行される山口コンダクターによる手厚いサポートでサロマに観光の醍醐味が加わった。

  • 3回目 2003年6月29日(日) 第18回大会 2233名参加 小雨 気温13度 完走率 74%

  • 出場  藤原、田中、鈴木、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  10時間28分
  • 小雨と低気温のため景色を堪能する楽しみはないが、超ウルトラランナーの藤原さんの淡々とした ペースに引っ張られ、初めて10時間代の記録が出た。 初出場の田中さんであったが、全エイド制覇との食欲に一同驚いた。

  • 4回目 2004年6月27日(日) 第19回大会 2198名参加 晴れ 気温26度 完走率 63%

  • 出場  柴沼、加持、田中、菊池、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  11時間26分
  • 昨年の記録が気温のお陰である事を改めて認識したが、完走出来るペースをつかめた大会となった。 そんな中、加持さんが初出場でいきなりサブ10、また芝沼さんが制限時間7分残りでゴールし 各自の目標が達成できて本当に良かった。

  • 5回目 2005年6月26日(日) 第20回大会 2623名参加 晴れ 気温25度 完走率 68%

  • 出場  菊池、土方(山口さんの知人)、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  10時間46分
  • 年に1度のレースだが体が100Kに慣れたのか苦しいながらも後半の落ち込みが少なくなった。 土方さん(息子さん)は完走出来なかったが、菊池さんが見事にサブ10を達成した。

  • 6回目 2006年6月25日(日) 第21回大会 2394名参加 晴れ 気温24度 完走率 68%
  • 出場  寺本、菊池、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  10時間16分
  • 後半頑張れたおかげで10時間半を切れた、来年以降にサブ10の期待を擁かせるレースだった。 サブ3走力を持つ寺本さんが初出場した、大腿部痛で途中から歩き&観光写真取りに切り替える ものの無事に完走した。

  • 7回目 2007年6月24日(日) 第22回大会 2592名参加 曇り 気温18度 完走率 72%

  • 出場  岡野夫妻、菊池、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  10時間 9分
  • あと少しでサブ10と言うところまで来た、10回の中で一度でいから達成して見たい。 ご夫婦そろってサロマンブルーの岡野夫妻と一緒に参加した、支え合い、励まし合いながら走る 姿を見て感動する。

  • 8回目 2008年6月22日(日) 第23回大会 2684名参加 曇り 気温16度 完走率73%

  • 出場  岡野夫妻、菊池、藤盛、(山口コンダクター)      ○記録  9時間49分
  • 8回目の挑戦でサブ10を達成した、これも支えてくれた皆様のお陰と思います。何時もにも増 して美味しい打ち上げビールを堪能した。 山口コンダクターの退職による帰郷前に達成出来て好かった。サポートありがとうございました。

  • 9回目 2009年6月28日(日) 第24回大会 2825名参加 曇り 気温14度 完走率74%

  • 出場  菊池、内田、藤盛      ○記録  10時間 5分
  • サブ10こそならなかったが、終わって見れば少しは周りを見る余裕があった。 内田さんが猛練習で臨んだ初参加であったが、前半から関門ギリギリで心配した。6分残りで ゴールした時は本当に嬉かった。

  • 10回目 2010年6月27日(日) 第25回大会 2755名参加 晴れ 気温32度 完走率50%

  • 出場  菊池、服部、内田、藤盛      ○記録  10時間57分
  • ついに10回目となる節目レースであった。数年続いた涼しいレーズとは違いこれまでにない 猛暑のレースとなり近年にない苦しいバトルとなったが、これまでの10年に感謝しながら終わ って見れば本当に優しい1日であった。猛暑のため服部さん、内田さんが完走を断念し、菊池さんも体調不良で大変苦しんだ。サロマ 100Kの道程は体調、精神、天候の3拍子が必要な事を改めて思い知らされた。

  • 以上がサロマ10年の振り返りです、当たり前ですが2001年の初参加から10年かかりました。 終わってみればこのサロマ10年は走馬灯の様に過ぎた様で、どのレースもついこの前の様に克明に思い起こ されます。
  • それでも10年間続け、完走出来たのは家族の理解(あきらめ)、職場の了解(あきれ)、そして一緒に走る 仲間の皆様との一体感、大会をサポートしてくれる地元の皆さんの思い、更に丈夫な体に育ててくれた両親へ の感謝と・・・どれも決して自分一人では出来なかった事ばかりです。 これまではサロマンブルーを目標に年1回のレースに臨んで来ましたが、今は明確な目標が見当たりません。 それでもやっぱり来年もまたサロマに臨む事だけは確かで、どうやら10年続いてすっかり自分のDNAに組 み込まれてしまった様です。
  • 1年で一番優しい1/365日の充実感のためにこれからも皆さんと日々走り続けたいと思います。 よろしくお願い致します !



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    10個のメダル




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