会員の完走文/エッセイ集
第18回サロマ湖100Kウルトラマラソン
日時 : 2003年6月29日(日)
場所 北海道サロマ湖周辺
天候 曇り時々小雨 最高気温 13℃
参加 藤原、田中、鈴木、山口(コンダクター)、藤盛
6月27日(金)
- 例年通り夜行列車組の藤盛が今年も「はやて」「はまなす」と乗り継ぎ一路サロマを目指して就業
後東京を出発する。
6月28日(土)
- 和歌山組の藤原氏が朝4:00の夜明けと共に起床し10:00羽田集合に間に合わすべく関空へ
一路向かう。 その頃東京組みの田中氏、山口氏、鈴木さんはまだ夢の中 ?
- 10:00の羽田便組(なんと鈴木さんのBD割引でとくとくキップとなった)と夜行列車組が女
満別駅にて待ち合わせ合流する。皆の笑顔に心が和みなんとも旅気分で常呂町のゴール前で笑顔で
集合写真。明日はこんな訳には行くまい。
- 15:00に湧別スタート地点で受付を済ませる。今年も帆立を焼いている猟師のおじさんを見て
懐かしさでほっとする。
- 夕食は紋別のホテルでカニフルコースで前夜祭となる。全員明朝のスタートも忘れて暫しカニと格
闘する事となる。 カニ味噌はやはり美味い!!
- その後藤原氏の部屋で軽く2次会。藤原氏持参のトラ印のお酒でタイガースにあやかり景気付けを
する。
- 部屋に帰り手際よく翌日のスタート準備を確認する。3回目となると慣れて来た。油断は禁物と自
分を戒める。 それにしても田中氏は朝から4つもおにぎり食べるのだろうかと余計な心配をしな
がらとにかく寝る事に勤める。
ホタテ
6月29日(日)
- 2:45起床。 若干寝坊して慌てて朝食を済ませロビーへ集合する。
- 外は小雨が降っている。過去2回は暑いほどだったので寒さ対策はゼロで来てしまった。結構寒い
のに途惑うが藤原氏の半袖OKの気合に安心する。紀州育ちはホットな様だ。
- 今年も山口コンダクターの運転でスタート地点に向かう。仕事柄とはいえ本当に有り難い。来年は
是非100Kトライしましょうと皆でよいしょしながら一路湧別に向かう。
- 途中雨で名物の雄大な朝焼けが見れないのが大変寂しく、なかなか気分がレースに向けて盛り上が
って来ない。
- スタート会場では例年通り記念碑の前で集合写真。雨の性もあるのか5人しかいないのが急に寂し
くなる。今年は景色も期待出来ず孤独なレースになりそうだ。
- 5:00予定通りスタート。
- 天候の影響なのか、沿道の応援が少ないようだ。寒さもあり重たい雰囲気でひたすら走り始める。
- 途中でサロマンブルーメンバーや名物巨人軍談の明るい走りに遭遇し幾分気分も回復する。
- 10K地点。途中の給水でも水を取る人は少ない。またボランティアの高校生たちも例年以上に少
なく少々寂しい。この涼しさでエイドの人たちは皆手持ちぶたさでいる。
- 20K地点。折り返しで仲間を探すが結局一人も見つけられなかった。皆は何処ら辺にいるのだろ
うかと思いつつ、とにかくキロ6分ペースの走りを維持するように勤める。
- 30K地点。昨年はこの辺りで既にかなり脚に疲れが来ていた。今年は昨年より疲れは無いようで、 また涼しい為汗はまだ殆どかかない。この辺りで一時雨が強くなる。牧場の牛たちは雨でも晴れで
もただ黙々と食している。彼らは毎年この2000人の群れをどう見ているのだろうか。
- 40K地点。そろそろ脚に疲れが溜まってきた。筋肉が固まり痛みが出てくるが、これを乗り切る
と楽になる筈だと自分に言い聞かせながら走る。フル地点では例年目のさめる様なサロマンブルー
が広がるのだが、今年は特段何の意識の高揚も無くひたすら距離と時間が過ぎて行くようだ。
- 45K地点。後ろから藤原氏に声を賭けられ追い越される。まだ後ろにいたのかと驚くと共に、こ
こまで鉄人の先陣を配した事に安堵する。涼しさのお陰で体力が持っている。景色と両天秤だが今
年はひたすら哲人になりきり走ろうと決める。そう思うとアスファルトの単調な灰色が気持ちを無
心にさせてくれるのが不思議な物である。
- 55Kレストステーション地点。脚の痛みを紛らわせつつたどり着く。山口コンダクター、藤原氏
の励ましに勇気付けられる。それにしても帆立お握りは美味しく、思わず3つも食べてしまう。ラ
ップに入れて後半戦の食料にしたい程である。
田中氏、鈴木さんも10分?遅れ位で到着するのではと山口氏より聞く。鈴木さんはその準備練習
量から見て今年は調子良さそうだ。また田中氏は初出場でよく頑張る物だと驚く。彼の事だからこ
このお握りは4つは最低食べるだろう。
ここまで順調だが後半何が起こるか分らないので時間を惜しむように急ぎレースに戻る。
- 60K地点。ここから80Kまでの20Kが一番精神的に辛い部分である。ここを乗り切れば完走
が見えてくる。その一方でここまでほぼキロ6分強ペースを維持しているので、或いは11時間程
度で行けるのではと甘い期待も脳裏に浮かぶ。
この間途中には鈴木さんの言う「魔女の森」が有る。確かに景色も単調で精神的にも肉体的にも参
ってしまう。またこの辺りまで平走してくる女性ランナーはまるで魔女の様にスタスタとひたすら
走り込んでくる。持久力では女性が上と言うのは本当だと実感する。
- 70K地点。哲人になりきりここまで潰れずに来れたのは何故だろうか。自分では梅干をエイド毎
に食べて塩分を補給した事が良かったと考える。そう言えば過去2回は梅干を殆ど食べなかった。
これは山口氏のアドバイスだが改めて感謝したい。
- 75K地点。お汁粉の待つエイドに到着すると何と藤原氏が迎えてくれた。お汁粉とお蕎麦を食べ
て最後の腹ごしらえをする。
- 80K地点。やっとワッカの入り口である。80K地点で8時間27分の表示を見て残り20Kを
2時間でラストスパートの気持ちが湧いてくる。ここまで来たら何とか10時間30分を目指したい。過去2回、ワッカを翔ぶが如く駆け抜けることを思い描いたがいつも悲惨なワッカであった。
兎に角行ける所まで全力でとひた走る。この辺りまで来ると普通はキロ7分とか8分で走る人が多
いので次々と牛蒡抜き状態で追い抜く事が出来る。
- 90K地点。現実はそんなに甘くなく、翔ぶが如く走るのは5K程度であとの5Kは悲惨な状態で
ある。それでも90Kを越えると1K毎の距離表示が秒読みの様に思えて力が湧く。折り返し後途
中で藤原氏に会い励ましを受ける。また無心で走っている鈴木さんとの遭遇する。残念ながら田中
氏とは一度も会わなかった。彼は完走してるのだろうかと気に掛かる。
- 95K地点。後少し頑張れば10時間30分と言い聞かせて最後のラストスパートをする。
- 100Kゴール地点。最後のメインロードに入る辺りはここまできた人だけが味わえる充実したら
ストランディングだ。沿道の声援もありがたく自然と脚も前へ進む。最後のカーブを曲がるとゴー
ルが現れ、10時間28分の表示になんとか間に合ったと歓びのゴールとなる。
- 胸に下がる完走メダルに充実感を覚えながらアイシングしていると藤原氏が10時間38分でゴー
ル。彼のまだまだ走れそうな表情に練習量の違いを見せ付けられる。
- その後初出場の田中氏が12時間19分で余裕のゴール。彼は何と全エイドの食事をフルコース制
覇との事(ただし75Kの蕎麦を除く)、その上ゴール後時間を置かずにうどんを食する辺り今後
の鉄人間違いなしである。
- さらに鈴木さんが12時間33分で無心のゴール。最後はやっと回復に向かった株式相場が気にな
り文字通り夢心だったのでしょうか。?
- と言うわけで全員がそれぞれひたすら走りめでたく完走と相成りました。
- レース後は鈴木さんとその同僚の方が夜の便で帰る為、女満別空港にて見送り兼打ち上げとなりま
した。コンダクター山口さん、飲めなくてすいません。
- その後紋別のホテルに戻り(注:なんと田中さんは途中でまたシュークリームを食していた)山口
コンダクターの労をねぎらい部屋で盛大な打ち上げとなりました。
スタート前
スタート
藤原さん
藤盛さん
鈴木さん
田中さん
6月30日(月)
- 朝風呂を浴びた後、ロボット状態の歩行で朝食を済ませ、9:30ホテル出発。
- 途中で湧別スタート地点、昨日のコース、常呂町ゴール地点を通るが何処も静かで昨日のお祭りが
夢の様である。
- そんな中、山口コンダクターのガイドにより能取湖、流氷博物館、小清水原生花園と観光し、網走
の割烹で最後の打ち上げ後、網走駅で藤盛を下ろし皆は一路女満別より空路で帰京となりました。
- 空港や帰りの飛行機でどんな宴が執り行われたかはご想像にお任せします。
- 自分はその後、釧路、札幌、小樽と一人旅を続け7月2日無事帰宅しました。
レース翌日
- 今年は5名(選手4名)でちょっと寂しかったです。
- 涼しい天候のお陰で100Kの完走率は73%との事です。(例年は50%程度)
- 来年は2004年6月27日(日)で予定されているので皆さん是非是非ご参加ください。
−以上−
戻る